日本人のルーツと「融合」の文化|DNA・神話・民話から見えるもの
DNAから日本の起源を見ると、いろんな時代にいろんな集団が日本列島にたどり着き、自然に融合していったと考えられることがわかりました。
では、そのことは歴史書や民話にも残っているのでしょうか。
神話は歴史の記録かもしれない
神話や民話は、単なる作り話ではないことが多いです。トロイの木馬は実際の戦争の記憶、ノアの箱舟は大洪水の記録、アーサー王伝説にも史実の核があると言われています。旧約聖書のモーセが海を割る場面も、実際の自然現象をもとにしているという説があります。
日本も同じで、スサノオがヤマタノオロチを退治して草薙剣を得た神話は、治水工事の成功と優れた製鉄技術の獲得を神話化したものかもしれません。
民話や神話は、文字のなかった時代の「歴史の記録」でもあるのです。そう思うと、ロマンを感じてしまいます(笑)
民話に残る「融合」のパターン
DNAや民話からも、違いを指摘して争うよりも、良いところを取り入れて自然に溶け合ってきたことが推測されます。
現在のヨーロッパは民主主義の先進地域に見えます。でもその平和は、数百年、場合によっては千年以上続いた民族間の対立や戦争の上に、ようやく築かれたものです。今もスコットランドの独立問題、カタルーニャの分離運動など、民族の亀裂は静かに続いています。
それはヨーロッパの方々が「自分たちは何者か」というアイデンティティを命がけで守ってきた歴史があるということ。その深さは、日本とは別の重みがあります。
個を大切にしながら、様々な問題を抱えながらもEUという共同体を維持しようとしているヨーロッパに、私は尊敬の念を感じています。
逆に、日本人はもう少し自分たちの文化や個人としての意思を、大切にしてもいいのかもしれません。
『日本書紀』や『古事記』には、「先住民vs侵略者」という血で血を洗うような民族対立の記録はほとんどありません。民話を見ても、得体のしれないよそ者と家族になる物語が残っています。鶴の恩返し、蛇女房、改心した鬼が守護者になる——異質なものを排除せず、取り込んでいくパターンです。
ヨーロッパの民話が「異質なものは退治するか、魔法を解いて元に戻す」という構造なのとは、対照的です。
ヨーロッパの歴史が「NO」と言うことで自分を守ってきた歴史なら、日本の歴史は「NO」を明言せず、相手との境界線を溶かしてきた歴史です。
「あいつらは違う、先祖の敵だ」と意識し続けることは、心にとっても脳にとっても大きな負荷です。同化せざるを得なかったというより、融合した方が心が安定すると、自然に判断したのかもしれない。
ご先祖様がやってきたことは、実は脳科学的にも心理学的にも合理的だったのかもしれません。自然災害の多い狭い島国で生きていくための、日本人の生きる知恵だったと私は思います。
改めて、ご先祖様たちに敬意と感謝を感じました。
宗教観も同じだった
縄文ベースの信仰から神道が生まれ、そこに仏教、儒教、キリスト教などが重なり合って、今の日本人の宗教観が形作られてきた。しかもほとんどの人がそれを自覚していない(笑)。DNAだけでなく、文化も信仰も、気づかないうちに融合してきた——それが日本という国なのかもしれません。
これからの日本へ
現代は少子高齢化、グローバル化が進み、これまで日本が歩んできた環境とは、少し異なる時代になりました。
日本の良さをベースにしながら、ご先祖様たちがしたように海外の良いところをつけ足すことが、これからの私たちの生き方をより良くするヒントになると思います。
次は日本人のコミュニケーションという視点から、私たちの強みと伸びしろについて、私の視点から書いていきたいと思います。
※本記事は個人の読書感想および考察です。歴史・科学的解釈には諸説あります。専門的な判断については、各分野の専門家の著作や研究をご参照ください。