スター・ウォーズと三大心理学|ルークはなぜ父アナキンを救えたのか?

目次

はじめに

*この記事はエピソード1〜6のネタバレを含みます。また、独自の解釈も含まれます。

過去記事『スター・ウォーズで学ぶユング心理学| ユングは「どう活かす」のか?』でもお伝えしているように、私の中では、スター・ウォーズはエピソード6で完結しています。
私にとってこの物語の魅力は、観る順番によってその「色」が劇的に変わる点にあります。
最初に公開されたエピソード4〜6を観たときは、ルークという青年が仲間と共に悪の帝国を倒す、王道のSF映画だと思っていました。

ところが、その後にエピソード1〜3を鑑賞した瞬間、景色は一変します。
それは、アナキン・スカイウォーカーという一人の人間の、栄光と転落、そして「息子による救済(贖罪)」を描いた壮大な人間ドラマへと変貌したのです。
もしも、ルークが単に強大な力でダース・ベイダーとパルパティーンを打ち倒していただけなら、私の心にはここまで深く刺さらなかったでしょう。
ルークが父の中にある「善」を信じ抜き、父を救ったこと。

そして救われたアナキン自らがパルパティーンを倒し、銀河にバランスを取り戻したこと。
この「支配」ではなく「愛」による決着こそが、物語を唯一無二のものにしているのだと感じます。

今回は、「なぜルークは父アナキンを救うことができたのか」。
その心理学的な意味と、私たちの日常にも通じる「他者を信じる力」について深掘りしていきたいと思います。

「縦の支配」に縛られたアナキンと、「横の繋がり」に救われたルーク

アナキンの人生を振り返ると、そこには常に「誰かに支配されるか、誰かを支配するか」という「縦の関係」がありました。

支配の連鎖: 奴隷としての子供時代、厳格な規律に縛られたジェダイ時代、そして恐怖で銀河を統べるシス時代。彼は常に「役割」や「力」という物差しで測られ、評価される世界に生きていました。

ルークの土壌: 一方でルークは、オーウェン叔父夫妻という「ほど良い親」のもとで、ただの家族として愛され、ハン・ソロのような対等な仲間(横の関係)に囲まれて育ちました。

この「関係性の違い」こそが、ルークがベイダーを「倒すべき敵」ではなく「救うべき一人の父(横の存在)」として見ることができた最大の理由だと思います。
(これについては、過去記事「スター・ウォーズで学ぶフロイト心理学②|ルークはなぜ闇に堕ちなかったのか?」で語っていますので、よかったらお読みください。)

三大心理学が解き明かすルークが父アナキンを救えた理由

ルークが、宿敵ダース・ベイダーに「父さん」と呼びかけたとき、ダース・ベイダーの無意識の中に眠っていたアナキンを呼び覚ますきっかけになったと考えられます。

無意識の防衛を突き破った(フロイト)

ベイダーは「アナキン・スカイウォーカーは死んだ」と繰り返し、過去の自分を強く抑圧していました。
ルークが「父さん」と呼び続けたのは、その強固な防衛機制(殻)にヒビを入れ、奥底に眠っていた「アナキン」を無意識から引きずり出したのだと思います。
その時に、過去シスの暗黒卿になった理由は、愛する妻とお腹の子どものためだったと思い出したのかもしれません。

無条件の信頼(アドラー)

ジェダイもシスも、アナキンを「どれだけ役に立つか」という目線で見ていました。
でもルークだけは違っていました。
「お父さんの中に善がある」と、根拠なく信じ続けた。
この「相手を変えようとせず、ただ存在を信じる」という横の関係こそが、アナキンが自分の命を捨てても息子の命を助けようという行動に繋がったのだと私は思います。

影(シャドウ)の受容(ユング)

ルークは自分自身の内側にも「暗黒面に堕ちる可能性(影)」があることを認めました。
自分の闇を受け入れたからこそ、父の闇を切り捨てず、自分の父として受け入れ、一人の人間として接することができたのだと思います。

世代を超えて巡る「愛」:シミとパドメの想い

ルークがこれほどまでに父を信じ抜くことができたのはなぜだったのでしょうか?
そこには、かつてアナキンを愛し、彼の中に「善」を見出していた女性たちの想いが、時を超えて流れています。

母・シミの無条件の愛:
奴隷という過酷な運命の中でも、シミはアナキンを「特別な力」ではなく「一人の息子」として無条件に愛しました。
その慈愛は、彼女を家族として迎えたラーズ家(オーウェン叔父夫妻)へと受け継がれたのかもしれません。
オーウェン叔父夫婦はルークをわが子同然に愛して育てました。
それがルークの心の土壌へと繋がっていったのだと私は思います。

妻・パドメの「信じる力」:
「彼の中にはまだ善い心が残っている」。死の間際にパドメが残したこの言葉は、時を経て息子ルークへと受け継がれました。

2人の思いがルークの行動に、そしてアナキンのライトサイドへの帰還に、繋がったのだと私は思っています。
ルークからアナキンを救い、そしてアナキンが命を捨てて息子と銀河を救いました。
時間がかかりましたが、愛の循環があったのだと私は思いました。

私は家庭では母として、仕事では介護に携わっていますが、子育てや介護は成果が目に見えてみえません。
でも、時間がかかっても、優しさが何らかの形で循環してくれたらなと思ってます。

4. 相手を認めるためには、まずは自分を認めること

ルークの行動の意味をまとめましたが、相手を信じること、横の関係を大切にすることは、言葉でいうほど簡単にできることではありませんよね。
だからこそ、ルークの気持ちと行動に、アナキンは心を動かされ、自分を犠牲にしてまで息子を守ろうとしたのではないでしょうか。

「他者を変えよう」とする気持ちを手放す:
相手を無理に変えよう(支配・コントロール)とするのではなく、まずはそのままの存在を認めること。

相手の不完全さを許す:
相手の不完全を許すには、ルークのように自分の「影」を認めることが必要のように感じます。

相手を信頼し、コントロールしようとせず、横の関係を築くには、まず自分の心が(完全ではなくても、ある程度)整っていないと難しいのではないかと思います。

次の回では、似ているようでちがう、ジェダイの掟と仏教の教えを考察しながら、
自分の心の整え方について、未熟な私なりに考えていけたらなと思います。

読んでくださりありがとうございます😊
明日も皆さまにとって、幸せな1日になりますように😀

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この記事を書いた人

ブログ「心音」の管理人、こはくです。
看護師・保健師・養護教諭の資格を持ち、介護・対人支援の現場に10年以上携わってきました。
自分自身もADHD傾向による生きづらさを感じてきた当事者です。
現場で出会ってきた方々の姿と、脳科学・心理学の学びを重ね合わせながら、自分とやさしく向き合うためのヒントを綴っています。グリーフケアや暮らしの工夫についても、実体験をもとに、自分のペースで発信中です。

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