ワーキングメモリと不安が脳を占領するとき

目次

はじめに

ADHD傾向の脳は、「ワーキングメモリ(脳の机)」が小さめと言われています。

そこに不安やネガティブ思考が乗ると、机はすぐいっぱいになってしまいます。

この記事では、不安で脳の容量が占領される仕組みと、それを助ける“脳内メッセンジャー”の働きを体験も交えてお話しします。

⚠私が調べたことをまとめたものです。脳科学的に間違っている可能性があります。

ワーキングメモリが少ないADHD傾向の脳

まずは、現状を「脳の机の広さ」に例えてみます。

ADHD傾向がある脳は、3階にいる前頭前野の“机(ワーキングメモリ)”がもともと少し小さめだと言われています。

一度に広げられる情報が少ない。

だから机の上がすぐに散らかってしまう。これは「努力不足」ではなく、脳の特性です。

だからこそ、

・ノートに書き出す

・付箋を使う

・スマホやパソコンを活用する

・AIに整理を手伝ってもらう

など、机を“外に広げる”工夫が、とても有効です。

不安が脳の容量を乗っ取る問題

でも実は、外に机を出す前に、もっと大事なことがあります。

それは、感情のケア。

小さな机の上に「私なんてダメだ」「また失敗するかも」という大きな荷物がドサッと置かれている状態を想像してください。

脳が不安でいっぱいのとき、ただでさえ小さい机は不安で埋め尽くされてしまいます。

その結果、やりたいことに使う容量がゼロになってしまうのです。

私自身の経験

私はADHDの前頭前野の不安定さを、「ラジオの周波数が少し合いにくい感じ」に例えています。

ちゃんと電波は届いているのに、ときどきノイズが混じる。

だから、無意識のうちに他の能力で補って、日常生活を問題なく送れるようにしています。

こうした補い合いの働きはカモフラージュ(マスキング)と呼ばれることもあります。

結構高度な技術だと、最近知りました。

けれど、強いネガティブ感情でワーキングメモリが占められると、その高度な技も使えなくなってしまいます。

中学生のとき、私はいじめを経験しました。

その頃は、どうしても成績が伸びませんでした。

でも、高校で人間関係が安定すると自然と成績は伸びました。

今振り返ると、人間関係の悩みがワーキングメモリを占領していただけだったのだと思います。

さらに、大きな死別を経験したとき。日常生活がままならないほど憔悴しました。

これはADHD傾向とは関係なく、大きすぎる喪失のあとに起きる自然な反応だったと思います。

その後、私は1年半引きこもりました。同じ時期に死別を経験して「何かしていた方が気がまぎれる」と言い、働いている方もいました。

その方を見て、私は「働けない自分はダメなんだ」と思いました。

でも今は、過去を振り返ってこう思います。脳が違えば、回復の仕方も違う。

「自分を責めない」が最短ルート

難しい机を空ける一番の方法は、自分を責めるのをやめて、不安の荷物を下ろすこと。

……でも。

それが簡単にできたら、苦労しませんよね。

「責めちゃダメだ!」と前頭前野で必死に考えるほど、その思考自体がまた机の上を占領してしまいます。

ネガティブ思考を止めようとしない

3階で戦うのが難しいときは、別の階からアプローチします。

たとえば、少しだけ口角を上げる。

「ありがとう」とつぶやいてみる。ネガティブな思考がぐるぐる回っていても、これはできます。

幸せのメッセンジャーがまとめて出動する理由

「笑う」という動作だけで、

・セロトニン(安定)

・オキシトシン(安心)

・エンドルフィン(多幸感)が同時に動き始めます。

彼らが一斉に「大丈夫だよ」と扁桃体をなだめてくれる。

すると、不安という荷物が軽くなり、前頭前野の机に“空き容量”が戻ってきます。

さらに「ありがとう」にはダブル効果があります。

🌿 オキシトシン|安心の魔法「自分はここにいていい」そんな感覚が生まれます。

🌿 ドーパミン|やる気のガソリン「誰かの役に立てた」という報酬が脳に届きます。机に、新しいエネルギーが戻ります。

まとめ

ネガティブ思考はワーキングメモリを消費します。

減らせたらいい。

でも、頭で止めるのは難しい。

だから、笑う。

感謝する。

それだけで、脳内メッセンジャーが助けてくれることがあります。

無理に大笑いしなくていい。

鏡の前で少し口角を上げるだけで十分。

感謝も、心の中でつぶやくだけでいい。

うまくできなくて、当たり前。

私も、あなたも、本当に頑張っています。

今ここにいてくれて、本当にありがとうございます。

このシリーズの全記事はこちら→ADHDグレー×脳科学シリーズ

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この記事を書いた人

ブログ「心音」の管理人、こはくです。
看護師・保健師・養護教諭の資格を持ち、介護・対人支援の現場に10年以上携わってきました。
自分自身もADHD傾向による生きづらさを感じてきた当事者です。
現場で出会ってきた方々の姿と、脳科学・心理学の学びを重ね合わせながら、自分とやさしく向き合うためのヒントを綴っています。グリーフケアや暮らしの工夫についても、実体験をもとに、自分のペースで発信中です。

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